Tutian日記

社員20名のベンチャーに新卒入社し、27歳で管理職になるも、29歳で創業130年老舗メーカーに一兵卒として転職してみて気づいたことを書きます。 ①人材業界②人事③就活④大企業vs中小企業といったネタで書こうと思います。ゆるいプライベートの話題も書きます。

「新卒一括採用」という言葉を使う人は素人

いつものことながら、この話題はホント「バカ発見機」だと感じてしまう。
 
 
○新卒入社者3年間の離職率は、昔も今も3割前後で大きくは変わっていない。しかも「辞めている人がいる」ことは、新卒採用が悪いという理由にはならない。というか、辞める人がいない採用形態などあるわけがない。
 
○新卒採用をやめると、就業経験のある中途採用のみになり、就業経験のない学生の就職率は下がる。未就業者が職に就ける(労働市場に容易に参入できる)という意味で、新卒採用が雇用に果たす貢献は大きい。
 
○企業にとっても新卒はやめて全部中途で採れ、と言われても人材調達ポートフォリオが悪くなるだけで何のメリットもない。(逆に「新卒だけで採れ」と言われても困るが)
 
○この方が「新卒一括採用見直し」という言葉でもって「新卒採用活動時期」の問題だけの話をしているのであれば、時期は完全に自由化すればよい。守れないルールを作り、貫徹せずコロコロ変えるから混乱が生まれ、求職者・企業双方の負担が増える。
 
○賃上げ=一律ベースアップという単純な発想ではなく、解雇・降格・減給(その分ハイパフォーマーの賃上げ)を柔軟に行えるよう、会社側に援護射撃もしないと、人件費は適正化しない。市場価値よりはるかに高い賃金をもらっているぶら下がり社員が「超過保護」されていることで発生するコストが、顧客の負担する価格に転嫁されてしまうし、逆に他社から仕入れるコストは下げないといけなくなるのは、当たり前。
 
○中小企業だって、柔軟に解雇・降格・減給できれば、賃上げできると思う。人口が減ってもはや、労働者の立場が強くなっているのに、戦後と同じノリで「労働組合が、弱い労働者になり替わり、全員一律賃上げを要求」ってナンセンスだと思う。会社のほうが、ハイパフォーマーには定着してほしいから、労働組合よりよほど真剣に「賃上げ」を考えています。
 
話がそれますが…
 
賃金上げてね。多様な労働者を雇ってね。同一労働・同一賃金だよ。年金も企業が用意してね、国の年金はあてにならんから。託児所も、国のはいっぱいだから、企業で作ってくれる?でも業績悪くなったら日本経済にとってダメだから、業績出してね。あ、でも解雇はダメよ。ちゃんと労働者の権利と雇用は確保しなきゃね。あと、もちろん残業時間も減らすんだよ、働き改革だよ、長時間労働は日本の悪しき風習だからね。あと、世界で通用するリーダー人材の育成も忘れずによろしくね。
 
こういう企業への要望が成立すると思っているのであれば、政府の偉い方の思考回路は本当に大丈夫かと思ってしまう。