Tutian日記

社員20名のベンチャーに新卒入社し、27歳で管理職になるも、29歳で創業130年老舗メーカーに一兵卒として転職してみて気づいたことを書きます。 ①人材業界②人事③就活④大企業vs中小企業といったネタで書こうと思います。ゆるいプライベートの話題も書きます。

2016年はあっという間に過ぎていった

年々、一年が過ぎるのが早く感じるようになってきました。

2016年、何が起こったかを振り返ることもなく、2017年も1か月が過ぎてしまって驚きです。

言い訳がましいですが、普段からブログを書こう書こうと思うものの、あまり「大っぴらに書けることが少ない」のですよね。写真も載せられないし…

社外より、社内向けの仕事が多いからなのですが、思考が内向きになりすぎないよう、たまには書いてみようと思います。

2016年は、一言でいうと「幅が広がった年」でした。

【2016年1月】ダイバーシティ推進プロジェクト

2016-20年は、人事部にとって勝負の年であり、人事部がオペレーションセンターからビジネスパートナーに脱皮できるか否かの試金石となる、チャレンジングなプロジェクトが4つほど走っています。

そのうち、ダイバーシティ推進と働き方改革を行うプロジェクトのリーダーをすることになりました。

人事の世界はほぼ素人の私ですが、このテーマはまだ世間でもスタンダードが確立されておらず、試行錯誤している会社が多い中で、自社似合った施策を実行してく必要があり、人事にどっぷりつかってきた人間でないほうがむしろ向いているテーマなので、ある意味ラッキーなのかもしれません。

【2016年2・3月】春季交渉

前の会社では、労働組合などなかったので、新鮮な体験ではありました。

正直に言うと「ベースアップ要求」という手段が目的化しているような、大きな違和感を感じましたが…

会社が持続的に発展し、利益と従業員のやりがいを両立するための手段は「全員一律賃金アップ」だけではないはずです。

上部団体の言うがままに交渉してくる様は滑稽でもあり、不憫でもありました。

人事部にも同じことが言えますが、海外と国内の売上比率が逆転し、本体企業からどんどん製造・営業などの機能がなくなっていく中では、労働組合の果たす役割も変わっていかなくてはなりません。

自浄作用で改革が進むのが一番です。しかし、いい意味でも悪い意味でも、市場や顧客からの圧力を受けない労組という組織は、内部から何を変えるにしてもハードルが相当高い。しかも、会社は組合活動に表立って干渉はできない。その結果、国内で生産し、国内で売っていた事態と同じ活動を、違和感を感じながらも続けてしまっている。

会社は労組が無くなっても・強くなりすぎても困りますから、生かさず殺さず付き合っている…存在自体に意味がある、と言うことなんでしょうか。

もやもやしている間に、2年連続ベアという結果で初めての春闘は幕を下ろしました。

【4月】構造改革

あまり具体的には書けませんが、子会社の合弁解消に伴い、社員の転籍に関する仕事にも携わりました。

つい最近まで、新しい人を採用する仕事をしていて、今も「働きやすい会社づくり」のための仕事をしているのに、何の因果かな…と最初は困惑したものです。

言い方が難しいですが、今後にも生きる経験だと思います。

【6月】驚愕のアンケート結果

ダイバーシティPJの施策案をつくるために、まずは社員のアンケート&面談調査をしたのですが、その結果がまとまったのが5月でした。

世間と比較できるように、ある財団のアンケートと同じ設問を使って、他社の回答とウチの会社の回答を比較してみたのですが…

なんと、他社よりも「上司とキャリアについて話す機会がない」という人が多く、さらには「(ウチの会社では)出産・育児を想定できない」という回答がある(他社の結果では0%)という驚きの回答結果。

問題の根深さを実感するとともに、先が思いやられるなあ、と途方にくれたものでした…

ここから、経営会議を通してダイバーシティ推進に関する社長メッセージ発表+施策承認までに、半年以上かかってしまいました。

【6月】屋台村

全社の改善小集団活動みたいなものがあり、スタッフ部門代表として、全グループの発表会に参加してきました。

内容は、出張用の宿泊施設を法人価格で予約できるサイトを導入しました、というもの。

特に会社に採っては費用も発生しない、ハードルの低いものなのですが、発表後には「いい意味でウチの人事っぽくないアイディア」と嬉しいような悲しいようなコメントをいただきました。

社長とツーショットで記念写真撮れたのも思い出です。

【7月】監督官がやってくる

人生初の体験が多かった2016年ですが、労働基準監督官の臨検に初めて立ち会いました。

詳細は割愛します…

【8月】テレワークトライアル

まずは、スタッフ部門だけでテレワークのトライアルを行うことに。

私も1か月の間で7回、在宅勤務にチャレンジしてみました。

前職ではほぼテレワークのような状態だったので、もちろん抵抗はなく、企画書作成や書籍から情報を収集するなど、集中を要する仕事は会社にいる時より捗りました。

ですが、3日連続も在宅でやっていると、少し集中力を維持するのが難しい(意志の弱い私には特に…)と言うことも感じました。週に1度だけ、集中を要する仕事をまとめて行うなど、うまい付き合い方が必要になりそうです。

【9月】人事とCSR

従来、ウチの会社では人事とCSRのつながりがあまり強くなかったようです。これまでは、人事が「社外に公表するために仕事してるんじゃない」みたいなスタンスだったそうで…

ですが、CSRにも最近中途社員の方が入り、密に連携できるようになってきています。

「ウソをついたり、データを恣意的に操作して、会社をよく見せる」ことは意味がないですが、人事にとって「せっかくいいことをやっているのに社内外に公開しないと、何もやっていないのと一緒」ということも頭に入れておく必要があると思っています。

その後も、人権ポリシーの作成や、働き方改革をテーマとしたステークホルダダイアログの実施など、CSRとはうまく連携して活動ができているように思います。

【10月】若手合宿勉強会

3か月に一回、若手(~30前半)で勉強会をやっていましたが、形骸化してしまっていたこともあり、趣向を大きく変え、会社の保養所で1泊2日でやることにしました。

あるテーマを1つ決めて毎回持ち回りで講師役となる社員が「ほかのメンバーにシェアしたいスキルやノウハウを紹介する」コーナーや、

「私が人事部長だったら」というテーマで全員がディスカッション&発表するというものでした。

人事部長もオブザーバーとして参加したいと言い出し(やっぱり気になるんですよね)、非日常的な場で意見交換ができ、有意義だったと思います。

【11月】2度目のボストン

2015年は、なんと4回も海外出張に行きましたが、2016年は1度だけでした。

その1度だけの出張が2回目のボストンキャリアフォーラム。参加企業数が約1割増の約220社、しかも大手有名どころが増えており、2015年より苦戦を強いられた印象です。

さらに、大手人気企業はボストンで選考結果を出さず「結果は本国での最終面接に持ち越し」というケースも多く、ウチがオファーを出しても学生が決められないという現象が2015年よりも多く見受けられました。

さらに、渡航前の「スカイプ事前面接」やイベント前日での「ホテルでの懇親会」など青田買いが当たり前のように行われていました。来年以降は戦略を練り直す必要がありそうです。

※写真は全然関係ない企業様のものです…

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【12月】経営会議承認~トップメッセージ発信

11月に、ダイバーシティ推進に関するトップメッセ―ジ+具体的施策が経営会議にて承認され、12月にはトップメッセージ(日本語版+英語版)が正式にリリースされました。

これまでは、具体的な施策を実行する土台作りという感じでしたが、年明けからは、いよいよ実行フェーズへと移り、PDCAを高速に回転していくことになります。

やったことないことばかりなので、文句を言う人もたくさんいます。良かれと思って、正義感からなのでしょうが、パワハラまがいのことをしてくる人もいます。何が正しいのかは、よくわかりませんし、結果が決めるものだと思っています。ただ、今は自分が正しいと思うことを全力で進めるだけです。

 

「新卒一括採用」という言葉を使う人は素人

いつものことながら、この話題はホント「バカ発見機」だと感じてしまう。
 
 
○新卒入社者3年間の離職率は、昔も今も3割前後で大きくは変わっていない。しかも「辞めている人がいる」ことは、新卒採用が悪いという理由にはならない。というか、辞める人がいない採用形態などあるわけがない。
 
○新卒採用をやめると、就業経験のある中途採用のみになり、就業経験のない学生の就職率は下がる。未就業者が職に就ける(労働市場に容易に参入できる)という意味で、新卒採用が雇用に果たす貢献は大きい。
 
○企業にとっても新卒はやめて全部中途で採れ、と言われても人材調達ポートフォリオが悪くなるだけで何のメリットもない。(逆に「新卒だけで採れ」と言われても困るが)
 
○この方が「新卒一括採用見直し」という言葉でもって「新卒採用活動時期」の問題だけの話をしているのであれば、時期は完全に自由化すればよい。守れないルールを作り、貫徹せずコロコロ変えるから混乱が生まれ、求職者・企業双方の負担が増える。
 
○賃上げ=一律ベースアップという単純な発想ではなく、解雇・降格・減給(その分ハイパフォーマーの賃上げ)を柔軟に行えるよう、会社側に援護射撃もしないと、人件費は適正化しない。市場価値よりはるかに高い賃金をもらっているぶら下がり社員が「超過保護」されていることで発生するコストが、顧客の負担する価格に転嫁されてしまうし、逆に他社から仕入れるコストは下げないといけなくなるのは、当たり前。
 
○中小企業だって、柔軟に解雇・降格・減給できれば、賃上げできると思う。人口が減ってもはや、労働者の立場が強くなっているのに、戦後と同じノリで「労働組合が、弱い労働者になり替わり、全員一律賃上げを要求」ってナンセンスだと思う。会社のほうが、ハイパフォーマーには定着してほしいから、労働組合よりよほど真剣に「賃上げ」を考えています。
 
話がそれますが…
 
賃金上げてね。多様な労働者を雇ってね。同一労働・同一賃金だよ。年金も企業が用意してね、国の年金はあてにならんから。託児所も、国のはいっぱいだから、企業で作ってくれる?でも業績悪くなったら日本経済にとってダメだから、業績出してね。あ、でも解雇はダメよ。ちゃんと労働者の権利と雇用は確保しなきゃね。あと、もちろん残業時間も減らすんだよ、働き改革だよ、長時間労働は日本の悪しき風習だからね。あと、世界で通用するリーダー人材の育成も忘れずによろしくね。
 
こういう企業への要望が成立すると思っているのであれば、政府の偉い方の思考回路は本当に大丈夫かと思ってしまう。
 

「ポケモンGO禁止・削除要請」に見る、変化受容力が低い国・ニッポン

何でもかんでも0か100で考える国、ニッポン。

日本の各観光名所で、ポケモンGoの利用を禁止したり、ポケストップの削除を開発元に申し入れる声が上がっています。

www.nikkansports.com

jp.sputniknews.com 

日経新聞(春秋)や産経新聞(産経抄)も「ポケモンGoのせいで歩きスマホが増えて心配だ」というコラムを真面目に掲載。

アメリカにてポケモンGOが先行導入された際には「家から出ずにゲームばかりしている子どもの肥満問題を一瞬にして解消するツール」といった、好意的なニュースもあったのに、日本では導入前から新聞社が批判的に報道。

彼らが非難しているポケモンGo!のポケストップは、もともとイングレスのポータルとしてずっと存在しています。何をいまさらという感じですが、新聞で具体的な代替案なき批判をしている記者や、利用禁止・削除要請した人たちは、ポケモンGoもイングレスもやったことがないのでしょう。

やってみると、もともと関心のなかった場所、知らなかった場所、行くつもりもなかった場所に人間を連れて行ってくれる可能性を秘めたアプリだということがわかるのではないかと思います。

僕が二条城や原爆ドームの管理責任者だったら、うまくこれらのゲームと共存し、もともと訪れる気のなかった人にも、足を運んでもらうきっかけとするでしょう。もちろん、事故防止対策や観光客の妨げにならないようなルール作りは必要。「ポケモンする人はこのエリアでどうぞ、観光客の妨げにならない場所にプレイヤー同士の憩いの場を作りました。地域内のポケストップガイド(他言語)も配布します。この場所ではこんな珍しいポケモンが出ますよ」といった感じでしょうか。

それを「ここではポケモンGo全面禁止」、あまつさえ「ポケストップを削除してくれ」って、思考停止ですね。

ポケモンGoのおかげで、これまでにない客層が訪れてくれるかも?どう活かすか?」というプラス思考より、「我々のところには、ほっといても観光客は来るのだ!事故の原因にもなるし、本来の観光目的で来ている人の妨げになるポケモンGoプレイヤーなど、来なくて結構」みたいな驕りの心が垣間見えます。日本の人口は減るので、いかにもともと知らない外国の方に知ってもらえるか、日本人でも来たことがある人にもう一度来てもらうか、ってかなり重要になってくると思うのですが…逆行している気がします。

なんですかね、たまたま立地がいいだけで味も美味しくない居酒屋や、接客がダメダメなコンビニに、たくさん客が入っている、みたいなことにならないといいな、と。

「いや、今は立地がいいから、ぞんざいにされても仕方なく行くが、鉄道の整備とか、周囲が開発され類似の選択肢が増えるみたいな地殻変動があれば、もう絶対行かないよ」と思いながら来ている客がいるということを、お店側がどれだけアンテナを貼れるのか、という話と似ている気がします。

日本に初めて来た外国観光客が「二条城?なんだいそれは、興味ないね」となるところを「ポケモンGoプレイヤーの集まるCoolなPlaceらしいから行ってみよう」となる。久しぶりの関西旅行に来た日本人が「二条城は10年前にもう言ったから、他のところに行こう」となるところを「ポケモンGoプレイヤー向けの、イベントをやっているみたいだから二条城に久しぶりに行ってみよう」となる。そんな可能性を秘めているのに、禁止、削除と保守的・短絡的な手立てしか思いつかないのは寂しい限りです。

横並び意識が強い日本ですから、今後、日本の有名な観光地が、こぞって「ウチもポケモンGOを禁止したほうがいいのではないか」という非生産的な議論をまじめにしていくのだと思います。ため息ですね。

「変化⇒めんどくさい⇒思考停止して禁止」とならず、変化に適応・変化をチャンスとして活かす発想ができる人間になりたいものです。

おまけ

もともとイングレスを少しやっていたこともあり…ポケモンGO配信日にダウンロードしてしまいました。イングレスもそうですが、このゲーム「運動が苦にならなくなる⇒痩せる」という効果もあります。おかげで先週末で約30kmウォーキング&サイクリングできました。しかし、運動後にビールで相殺してしまい…減量効果が出るのは…これからですね。

タマゴからポリゴンがかえって、童心に戻ったように喜びました。この、タマゴというのも「歩く」モチベーションを上げてくれますね。

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雑誌に文章を寄稿してみた。

かなりご無沙汰してしまった。

先日、と言っても3月末だが、中国カラオケ大会が縁で知り合い、いまは語学に関する研究を行っている、西村英希さんから、協力してほしいという連絡があった。

なんでも、知人が雑誌を作っているとのこと。日本の生活や習慣などを中国に伝えるための雑誌だそうだ。プロの作家でない、素人が日本語で書いた文章を中国語に訳して雑誌に載せるらしい。

テーマは「生活と電車」。あとは何でもいいとのこと。

喜んでお引き受けしたところ「厳正な審査の結果、採録させていただくことに決まりました」とのこと。

実際に雑誌が発行されるのが今から楽しみだ。ちなみに、寄稿した文章を以下に載せておこう思う。

ちょっとデフォルメしているが、すべて実体験に基づいている話だ。

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「サラリーマンには、絶対なりたくない」

 

学生時代、電車に乗るたびに強く思ったものだ。

 

大学2年生のボクは、週に1回か2回、朝のラッシュ時間に多磨霊園から恵比寿まで電車に乗って、バイト先の翻訳会社に通っていた。身動きが取れなくなるほど混んだ電車に体をねじ込み、体重をかけてくる隣の人を必死で足を踏ん張って押し返し、肩と肘を張り自分のスペースを確保する。痴漢と疑われないため、右手はつり革、左手にはカバンを持っておくことも重要。新聞・雑誌なんてもちろん見られない。寿司詰めになりながら、押しくら饅頭を繰り返し、ただひたすら願うだけの時間だ。「早く目的地についてくれ」と。

恵比寿駅に着いても、終わりではない。そう、「降りるための闘い」が控えているのだ。見知らぬ人には誰も声をかけないここ東京でも、この瞬間ばかりは違う。「降ります」と、人をかき分け押しのけ、我先に道なき道を進まなければ、降りる前にドアが閉まってしまう。乗り過ごして遅刻するくらいなら…生き残るためには多少自己中心的にならないといけないのか。これが大人になると言うことなのか?

無事恵比寿駅で降車しホームにつくと、今度はホームが混んでいる。改札までは自分のペースで歩ければ2分もかからない道を、団子状態の集団の中で2、3倍以上時間をかけてのろのろ進む。周囲を見ると無表情か、辛そうに下を向く顔が多い。まるでゾンビの行進のようだ。

やっとこ改札を出ると、もうくたくたである。とてもじゃないが「これから仕事」という気分ではない。

この人たちは、何が楽しくて月曜から金曜までこれを繰り返すのだろう。これで、本当に充実した人生と言えるのだろうか?ボクはゾンビの一員なんかにはなりたくない。

 

夜。バイトを終えた後、友人と新宿の安い居酒屋での飲み会を終えたボクは、新宿から京王線で帰る。運よく始発の特快に座れた。深夜だからか、混み具合は朝ほどでもない。

 

「あいつ、本当に仕事できねえんだよな!」

「あんなヤツの下では、働けないっすよ!」

 

さえないサラリーマンが、酔った勢いでよく吠えている。大体、この手の話の内容は「職場の人間関係」「同僚・部下への不満」「経営者・上司への批判」だ。あんた、会社では大した立場じゃないんだろ?ていうか電車じゃなくて、会社で本人に直接言ってやれよ。何より、周りが迷惑なんだよ…

そもそも、そんなに嫌ならやめればいいじゃん。好きでもない仕事を毎日して、生産性のない愚痴を言う。この人は何のために働くのだろうか?そこまでして、人間は働かないといけないのだろうか…

「あと数年すれば、俺も卒業か。就職はせず、個人事業主にでもなろうかな…」憂鬱な気分で、調布駅にて各停に乗り換えると、今度は30前後の女性が大きな口を開け、いびきをかいている。体は斜めに傾き、2席にわたって占領している。あと一押しすると床に滑り落ちそうな勢いだ。

いい年してみっともないなあ。ていうか、会社勤めってそんなに疲れるのか…

 

あれから約10年。心の底からなりたくないと思っていたサラリーマンとして、ボクは毎日電車に乗る。確かに辛い時も、疲れる時もある。だが、学生時代のボクにはわからなかった楽しみもある。個人事業主と違い、会社のお金で思い切って仕事にチャレンジできる。個人では絶対会ってくれないような企業や省庁の方と会ってもらえる。一緒に喜びも悲しみもシェアできるメンバーがいる。仕事がきっかけではないと決して行かないような場所、触れられないような情報もある。

朝の満員電車は、住む場所や使う路線を工夫し、朝30分だけ早く出れば避けられることも分かった。たまに起きるのが遅くなるとゾンビの群れに遭遇するが、毎日ゾンビの一員になるかどうかは自分の意思次第なのだ。

夜、同年代の男性社員と電車で上司の批判で盛り上がる。もちろん、会社で本人に直接話すように努力はしている。しかし、極力建設的に話すには言葉を選ぶ必要もあるし、言いすぎると嫌われるからぐっとこらえることもある。押さえつけていた言葉が、電車の中で開放感とともに吐露されるのだ。周りには迷惑かもしれないが…

同僚の女性は疲れたのか、大きな口を開けて寝ている。ただ、彼女は無駄にだらだら仕事したくないから、会社ではいつもトップギアだ。限られた時間で生産性を上げるために、常に頭をフル回転させている彼女には、帰りの電車が、数少ないほっとできる時間なのだ。たまには寝てしまっても、いいじゃないか。周りには迷惑かもしれないが…

 

私に言う資格はないが、世の学生の皆さんには、電車の中で疲れたサラリーマンを見たら「この人は会社で頑張っている人だな」と思ってあげるようにしてほしい。「サラリーマンに憧れを持て」とは言わないから。

震災時の新卒採用・就職活動<①企業対応篇> ~3.11の経験から~

熊本で地震が起きた翌日、私は採用活動の応援のため福岡出張の予定だったが、止むを得ず出張は中止となった。

 

出張を中止するか否か、社内の方々と夜から朝にかけて対応を協議していたときにふと思った。「東日本大震災当時、採用担当だった人で、今も同じ企業の採用担当として最前線にいる人はほとんどいないのでは」「災害時の採用活動を知っている・相談できる人は、どこの会社でも意外と身近にいないのではないか」と。

 

というわで、2011年当時(2012年卒新卒採用)の経験が少しでもヒントになればと思い、下記に当時の企業側の対応から言えることをまとめてみた。

<震災時の採用活動・企業対応のキモ>

①むやみに選考活動を延期・自粛しない(安全が確保できるなら、予定通り実施する)

被災地域の応募者には、個別の柔軟な配慮を

 

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①むやみに選考活動を延期・自粛しない(安全が確保できるなら、予定通り実施する)

2012卒採用は、ふたを開けてみると「可能な範囲で当初のスケジュール通り選考活動を継続した企業」が一人勝ちした結果となった。いかにブランドのある人気企業でも「選考活動を全面的に自粛・延期」した企業は、採用者の質・数確保に苦労した。中小・ベンチャー企業でもブランドネームのハンデをひっくり返して優秀な人材が採用しやすかった年であった。

 

余談だが、当時は「自粛しないと叩かれる」という恐怖感からか、卒業式も、お花見も、CMもなんでも自粛した時であった。空気を読んで自粛したせいで、却って当事者に弊害が出ると言うケースも少なくなかったが、この「選考の自粛」もその一つかもしれない。

 

特に、経団連加盟の大企業から「(当時は4月1日解禁だったのを)6月1日からの選考実施とする」表明が相次いだ。延期にした主な会社は大手通信、大手メーカーなどいわゆる「人気企業」であったと記憶している。

 

一方、準大手・冠(大手子会社)系・中小・ベンチャーの企業は、直接被災した地域以外においては、震災後数週間経ち余震の恐れ・交通機関のマヒもほぼなくなったタイミングで、当初の予定通り選考活動を実施した。

 

結果、学生にとっては、身動きが取りにくい状況になった。

 

6月まで、人気企業は選考をしない。6月まで待っても人気企業に受かる保証はない。そのとき(ストレートに言うと)滑り止めとなるような企業は、今もどんどん選考をやっている―。

 

6月以降の人気業の選考に賭けて、失敗してしまうと、就職先がなくなるかもしれない。そういった不安が、学生たちに「当初は志望していなかったが、今選考をやっている企業を受けておこう」という思いにさせたのではないか。一律自粛・延期をした大手人気企業は、完全に出遅れてしまい学生の確保に苦労したと聞いている。

 

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被災地域の応募者には、個別の柔軟な配慮を

一方で、採用活動を可能な範囲で継続するにしても「被災地の学生への配慮」を忘れないようにしたい。

トンボ鉛筆事件」は記憶に新しい。一人の採用担当者の言動が会社のイメージを著しく損なうことがありうることを忘れてはいけない。 

 

配慮とは、具体的には…以下のようなことになる。

被災による原因で、参加が困難な場合「危険を冒して、無理に参加する必要はない」「個別に連絡をもらえれば柔軟に対応する(不参加でも不利益はない)」ことを、まずは全応募者に発信

被災による原因で、応募書類の提出が困難な学生に対する、締切延長・書類選考免除など

●同様の原因で、会社説明会への参加が物理的に困難な学生に対する、説明会の追加開催・(選考に進むために説明会参加が必須の場合)説明会参加を必須とせず、特別に選考への参加を認めるなど

●同様の原因で、面接等選考への参加が物理的に困難な学生に対する、選考の追加開催・柔軟な日程調整など

大手人気業では、応募者が多いあまり「平等性」を重んじたジャッジをせざるを得ない。そのため、一律延期とした企業が多かったのだろう。

ただ、準大手・中堅中小は小回りが利くはずである。被災地域の全学生に配慮をするとなると難しいが、自社に応募している学生への配慮となると、小回りを利かせて個別対応すれば、そこまで難しくはないはずだ。

 

なお、以下も基本といえばそうだが、大事なので述べておく。

 ●説明会・面接参加学生には、避難経路を説明し、万一選考中に地震が起きたときに取る行動を確認・案内する

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番外篇:

参考までに、私が当時採用支援していたクライアントの反応をいくつか思い起こしてみたい。

大手物流子会社採用担当者のお話:(を思い起こして書いています。以下同様)

「普段であれば、絶対ウチには来てくれないレベルの学生が採用できた。震災一週間後から、安全が確保できると判断できる地域では選考を通常通り実施した。選考を自粛している企業もあったが、学生の反応は『学生としても、先行きに対して不安になっており、予定通り選考をしていただけるほうがありがたい』というものであった。」

 

Webメディア(100名規模)の人事責任者のお話:

「3月下旬から選考の予定だったところに、3/11の震災があった。延期すべきとの意見もあったが、当社の場合『延期したところで優秀な人材が採用できるわけではない』と思い、予定通り採用選考を実施した。ただし『震災の影響で選考書類が出せない方、選考会場に来られない方は、後日必ず選考の機会を別途設けるので個別に相談してください』ということは全応募者に連絡して伝えた。

結果的には、当社においては過去最高レベルの方が採用できた。また、東北の学生さんも採用できた。意外だったのは、内々定を出しても『6月の大手人気企業の選考まで待ってください』と言われるのではないかと正直不安だったのだが、4月には全員入社の意思表明をしてくれたこと。」

 

準大手メーカーの採用担当者のお話:

「業界トップの●●社は、6月まで選考を延期したが、当社は通常通り実施した。学生からは『選考を自粛している企業を待っているより、今選考をやっている企業の中で決める』という声が多かった。結果的には採用数は計画通り。レベルも満足いくものになった。採用した方の中には、3/11の当日にウチの会社説明会に参加していた人もいた。半分冗談だが、多くの学生が自宅に帰れず、説明会会場で社員たちと励ましあいながら、一緒に夜を過ごした経験が『運命』を感じさせたのではないか」

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企業対応篇は以上です。お読みくださった皆様、ありがとうございました。

 

本当に「ベンチャー企業で活躍している人は大企業に転職したいと思わない」のか

なべはるさんの日記に、ちらっとご紹介いただきありがたい限りです。ベンチャーと言われる組織から、大企業と言われる組織に転職はしたものの、本当に今の環境で価値の高い仕事ができているかは疑問で恐縮な限りです。

せっかくですので「ベンチャー企業で活躍している人は大企業に転職したいと思わない」にリアクションしてみたいと思います。

早速ですが「ベンチャー企業で活躍している人も、大企業への転職願望は持ち得る」と思います。

「(規模や歴史を問わず)今の組織で活躍している=外に出ない」とは限らないのではないかと思います。

もっと言うと「現組織で活躍している(世の中に価値ある仕事をしている)人だから、コンフォートゾーンにとどまり続けることにリスクを感じる」「外の世界でもやっていける自身もあるため、一歩を踏み出せる」という面もあるのではないかと思います。

一方「ベンチャー→大企業へ転職している人は活躍してないので目立たない」という部分は一理ある気がします。というか、特に日本の大企業ではスタンドプレーはあまり好まれません。「ベンチャーの名物人事」のように個人を前面に出して仕事をしていくことはあまり求められず、組織で仕事をすることが求められますので「個人」としての対外的な露出は減る(目立たない)傾向にあるのでは、なんて思ったりします。

だからといって「ベンチャーから大企業への転職は難しい」と言うことを鵜呑みにできないというのも同感です。実際、前職時代には「ベンチャーから転職してきた、大手企業人事担当者」も少なからずいました。自分の道をきちんと切り開ける人は、ウワサやステレオタイプにとらわれず結果を出しています。

間違いなく言えるのは「ベンチャーから大企業に転職するのが難しい」から「とりあえず大企業を目指す」なんていう人がいたとしたら、どこでも活躍するのは難しいのではないかと言うことです。

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ベンチャー企業から大企業に転職したいと思った理由 ~私の場合~

私自身が活躍したかどうかは別として…「責任ある仕事を任されて」「実力主義で評価されて給与もそれなりにもらって」いたと思います。

新卒では(当時)創業10年・従業員20名の会社に入り5年ほど勤めた後、創業100年以上・従業員連結5万人以上の会社に移りました。そして今に至るわけですが、組織を移ってみたいと思ったのは、具体的に言うと以下のような理由です。

①大きな組織を動かせるようになりたい

裁量は間違いなく前職時代のほうが大きかったです。

しかし「規模がでかい組織では、自分の裁量も小さくなる。組織のレイヤーも増え、調整の難易度が上がるけど、何万人の人が動く仕組み作りに関わることができれば、社会に与えるインパクトはより大きいのではないか」と考えました。

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 ②金額的に、より影響度の大きい仕事がしたい

①と似ています。

利益=仕事の価値だと考えると「裁量・責任のある仕事はできるが、生み出す利益規模が限定的」よりも「数千億円の利益を出している企業を、時間はかかるかもしれないがもっと儲かる企業に変える」方が、意味が大きいのではないかと思ったのです。

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 ③仕事のフィールドを広げたい

前職では「採用」に関わる仕事がメインでした。採用は上流工程からオペレーションまで幅広く経験をさせてもらえました。様々な規模・業種の会社とかかわることもできました。

これらは、間違いなく今でも私の血肉になっており、財産です。(私は、ビジネス筋肉と呼んでいます)

しかし、それもあくまで「採用」というフィールドの中だけであることに、このままでいいのかという危機感がずっとありました。

採用は会社経営にとって、重要な業務の一つであることは間違いありません。ただ、組織の「ヒト」の問題は「入口」以外にもたくさんあります。「人事」の仕事のフィールドを広げたいという気持ちが徐々に強くなっていきました。また「採用」以外の人事業務も知ったうえで、採用の重要性を主張できる人材のほうが価値が高いと思ったのです。

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④会社の方向性への共感

前職の会社には、確固たる理念があり、昔も今も沢山の素晴らしい支持者がいらっしゃいます。

それを否定する気は全くないのですが、年を経るにつれ、会社の方向性に対し「仕事人生を賭して関わりたい」と断言できなくなってきた自分がいました。これは、どっちが正しい・悪いというよりは、相性の問題です。

規模の大小を問わず「会社の方向性に共感できる」かどうかは、働き続けるうえで大事な要素です。ベンチャー(安穏としていては存続できない会社)で、ある程度リスクをとって働くのであれば、尚更かもしれません。(「つぶれにくい」組織で働くことのリスクも勿論ありますが、ここでは触れません)

そして、今所属する企業は、典型的な古い日本的企業ですが「より収益力のある会社に変わろう」としているところに共感し、そのプロセスに自分を必要だと言ってもらえる環境があったことが大きな後押しになりました。

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⑤働き方を変えたい

どちらかというと副次的な理由です。

前職には、社内外ともに、30台を超え40代~50代になっても毎日深夜まで働いて平気、土日も仕事をしているのが自然、という方たちがゴロゴロいました。もともと人材業界というのはハードな働き方が根付いている業界です。

私自身、社会人1~3年目までは朝7時に出社、終電で帰るのが当たり前、土日もどちらかは仕事、という生活でした。4年目以降はさすがに労働時間は減りましたが、それでもピーク時には会社に泊まることもありました。これは「経験値を積む期間を圧縮する」という意味では、若いうちにやっておいて本当に良かったと思います。

ただ、私はそこまで体が頑丈なわけでもありません。「長期的に何らかの形で働く」ことを考えると、30、40、50と年を重ねていく時、同じ働き方をずっと続られないと思う自分がいました。

転職後は、平均すると労働時間が短くなった分、家族とのコミュニケーションやストレス発散に時間をとることができるようになりました。(ちなみに、大手=労働時間が短いというのは誤解で、部署・時期によってはめちゃめちゃ長時間労働しています)

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⑥「未完成なのがおもしろい」は同じ

よく「未完成だからこそベンチャーを選ぶ」という話があります(というか自分も話していた)が、前職の仕事で様々な規模・歴史の組織とお付き合いするうち「組織の規模・歴史と完成度は関係ない」と思うようになりました。歴史が長い&大規模=完成形、というのは全くのウソです。逆に、歴史があり関係者が多いと「未完成」である現状を変え「完成」に近づける難易度は高くなるとさえ感じています。

また、今の会社が持つ悩みは、ある程度同等以上の歴史・規模の会社は大なり小なり抱えているはず。ということは、伝統的な組織を変えるプロセスに立ち会う経験というものは、どこでも通用するスキルになりえると思ったのです。

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⑦人生のレアカードになりたい

「人生のレアカード」という考え方にとても共感しています。

私自身、思えばずっと「逆張り」を意識してきた気がします。

【英語×中国語】大学時代、中国語専攻だった私。同期のみんなが中国に留学に行くので「中国語も英語も話せれば差別化できる」と思い、アメリカに留学したり…

【売り手市場×ベンチャー】就職活動時は空前の売り手市場。大学の友人はほとんど大手に就職しましたが「大手企業では自分が埋もれてしまう。でもベンチャーであれば競争相手も少ないし、目立つのでは」と思い、会社を選んだり…

今回の転職でも【ベンチャー×大手】【コンサルティング視点×事業会社視点】【人事×グローバル】など、もっと「レア度」を高めたいという考えがあったのだと思います。

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⑧「やり切った感」があった

自分の判断を自分で正当化したのかもしれませんが「やれることはやった」「自分の給料(賃金以外のコスト含む)以上の利益を会社に貢献した」という気持ちが最後は大きかったです。

今考えると、本当によく入れてもらえたなと思いますが、前職に入る際は「自分の給料以上の貢献ができたら辞める」と言っていました。

転職する直前に、自分も作成に関わって、経営陣にコミットした全社売上・利益目標を達成しました。メンバーの努力や外部環境の好転もあって、過去最高の利益になりました。辞めようと思ったとき「ここで逃げたらダメだ」と何度も踏みとどまりましたが、この時ばかりは「ここまでやれば『逃げた』とは言われないだろう」と妙な開放感に包まれました。

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長々と書きましたが、ざっくりいうと「経験のないことを経験してみたかった(=無いものねだり)」と言うことにつきます。前職の会社も、メンバーも好きでしたが「一度の人生なのでいろんなことを」という欲求が勝ったのだと思います。(そのせいで少なからず迷惑を被った方々もいらっしゃるとは思いますが…)

 というわけで「ベンチャー企業で活躍している人も大企業に転職したい」と思い得るのではないかと思います。

 

ちなみに、余談ですが「ベンチャー(若い・小規模組織)」と「大手(歴史長い・大規模組織)」を両方経験してみて「それぞれ求められる仕事の姿勢や、仕事の難しさの性質が若干異なる」と感じます。

一方で「組織の年齢・規模にかかわらず活躍する人材が普遍的に備えている素養」もあると感じています。

このあたりについて、またなべはるさんとお話してみたいですね。

「部下」「指示」という言葉を使わない

「組織というものは、なぜこんなにも硬直してしまうのか」と考えている。

 

誰もが問題だと認識していることも、昼のオフィスでは誰も言わない。
夜の飲み会では不平不満として出るのに。

 

現在需要が底堅い事業で、現状は業績が安定している組織では、問題を放置しておいても直近で困ることはない。

 

波風を立てて孤立するリスクをとってまで変える意味が見いだせない。

「歴史を理解したうえで、これまでの経緯を尊重して変えろ」という、もはや思考停止と同義のテンプレート化した指摘。それをかわすための対策・ステップを踏む労力と、「自分が変えた」という責任を負う危険も含めると、あまりにもデメリットの方が、変えることで得られるメリットより大きすぎるように見えてしまって、躊躇してしまう。

 

問題だと思っているけど、変えない。臭い物に蓋をする。

5年前、10年前の資料を見ていると、今と全く同じことが「問題」として挙がっている。  

先送りにしていても、年功で昇進できる。だからわざわざ「バツ」がつくような危険を冒す必要はない。

 

と言う理屈は、頭では理解できるようになった。 
これを何年繰り返してきたのだろう。今後いつまで繰り返すのだろう。

 

というわけで、なぜ組織は「大企業病(=硬直)」化してしまうのか、最近はよく考える。

 

規模が小さく、比較的フラットな人間関係の組織にいた経験もあるので、当時と比べてみて、「大企業病」組織の特徴や、「大企業病」になった組織がもう一度血のめぐりを良くするヒントや、「大企業病」を予防するヒントが見いだせないか、このブログでもつれづれ書いてみたくなった。

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仕事は「部下」に「指示」するもの?

今の組織に来て、印象的だったのが「部下」「指示」という言葉を当たり前に使っていることとだ。ここにも「大企業病」を考えるヒントがあると感じている。

何がおかしいのか、と思われるかもしれないが、前にいた組織では「部下」「指示」という言葉を、言うことも言われることもなかった。

7名の小さな組織の長を務める機会もいただいたが、その時も意識的に「部下(下の者、など類似表現を含む)」「指示(命令、など類似表現を含む)」は使わないようにしていた。

「部下」=「メンバー」、「指示」=「依頼/希望・期待」という形に言い換えるように努めていた。

組織の長には、達成すべき成果がある。そして、それは一人では到底達成できない。だから「メンバー」が必要になる。達成すべき成果のために集まった人たちなので「メンバー」と呼ぶ。レポートラインや意思決定フローはあるし、人事制度上の職種や等級は違うかもしれないが、別に人間そのものに上下関係があるわけではない。

そして、組織の長に課せられた使命を達成するために、そのメンバーに期待していること、担ってほしい役割を伝える。使命達成のためになすべきことを一部メンバーに分担してもらう。だから「依頼/希望・期待」という言葉を使う。「依頼/希望・期待」が叶えられれば、細かいやり方はメンバーに任せる、というニュアンスも込めている。

 

一方で「部下」に「指示」という表現は、

・ピラミッド的序列(上下関係)という背景に頼らないと人を動かせない
・仕事は、上司の指示・命令通りにやるもの(自分で考えなくていい)

という、ニュアンスが含まれていると感じる。

これでは「変化への対応力を高める」というマインドの組織にはなりにくい。

 

というわけで、今の組織でも自分は絶対「部下」「指示」という表現を使わないようにしている。面白いもので、ちょっとした変化が(勝手な思い込みかもしれないが)見られ始めたかもしれないと思っている。

今後のブログで、ちょっとした変化についても取り上げてみたい。