Tutian日記

社員20名のベンチャーに新卒入社し、27歳で管理職になるも、29歳で創業130年老舗メーカーに一兵卒として転職してみて気づいたことを書きます。 ①人材業界②人事③就活④大企業vs中小企業といったネタで書こうと思います。ゆるいプライベートの話題も書きます。

使命に集中すれば、雑音は気にならない

今日は都内某大学に訪問。働き方改革の分野で著名な先生に、役員向け働き方改革セミナーの講話をお願いしに行った。

逃げるわけではないが、働き方改革は人事だけでは完遂しない。

人事は、例えば柔軟な勤務ルール、時間でなくアウトプットで評価される制度、年功序列を弱めて長期勤続ではなく現在の役割に報酬を払うなど制度は作れる。しかし、それを活用することが許容される組織風土は、各職場で作らないといけない。

また、個人の業務生産性向上のための工夫も限界がある。仮に(あくまでも仮に)「長時間労働により無理を聞くことで競争力を生み出すビジネスモデル」である限り、いくら個々人が生産性を上げたところで、そのビジネス環境下における価値の変換効率は悪い。

理想論だが、長時間労働に依存しなくても付加価値を提供できるビジネスモデル、無理を聞かなくても顧客が尊重してくれる会社にしなくてはならない。

そのためには、管理部門だけではなく、経営者が働き方改革を「自分事」としてとらえ「自社のビジネスの在り方をどうしたいのか」を考える必要がある。

それなしに、労働時間削減・休暇取得率向上のみが先行してしまうと、本質的な目的なき働き方改革となり、頓挫する。(持ち帰り残業や、サービス残業、もしくは管理職の負担が増えるだけとなる)

というわけで、まずは経営陣へのアプローチ、なのである。

50代、60代の「一生ワーク・ワーク世代」には、働き方改革=全員一律労働時間が下がり、会社の競争力が失われるのでは、思いっきり働きたい社員のモチベーションを下げるのでは、という誤解がある。また、自分の若い時大事にしてきた働き方(成功体験)を否定されているのでは、という心理的抵抗がある。

そうではなく、働き方改革=ワーク・ワーク社員もそうでない人も、多様な働き方を認めること。ワーク・ワーク社員を否定することではなく「ワーク・ワーク社員に非ずんば、貢献できない・存在を認められない(と感じてしまう)組織風土」から、「様々なワークスタイル=貢献スタイルが認められる風土」にしていくことなのだと理解してもらう必要がある。

一回の講話で腑に落ちることはないかもしれないが、今後話者(媒体)を変えシチュエーションを変え、地道に発信&対話を行っていきたい。

ところで、今日訪問した教授とのご縁をいただいたのは、とある他部門の方のご紹介のおかげ。彼も中途入社で、新しいチャレンジをどんどん仕掛けている。今日も一緒に同席してくれた。

彼も「新しいチャレンジをしようとすると、失敗しそうな要因、できない理由ばかり挙げて自分は何もしない非建設的な批評家」にたくさん出くわすという。チャレンジをやめるべき理由は言えない、だけど「今までやったことがないから」「過去同じようなことをやって失敗したから」どうせできない、やめておいたほうがいい、という人たちだ。

「嫌な気持ちになることはないですか?」と聞くと「自分の使命に集中すれば、雑音は気にならない」ときっぱり。うーん、素敵です。見習いたい。

連結数万人の企業ってもっとシステマティックなのかと思っていたが、意外と最後の最後は当事者が一歩踏み出せば、ある施策が実現し、ちょっとずつだが組織が動く。